お墓の基礎知識
■お墓の基本的な構成
お墓は、墓石と納骨棺(カロート)、境界石、外柵といった基本的なものの他に、水鉢、花立・香立・拝石・塔婆立・墓誌・物置台・燈篭・手水鉢・名刺受・化粧砂利などの付属品から構成されます。
- ●墓石の形
- 基本的には三種類の形に分けることができます。和型墓石、洋型墓石、変形墓(趣味墓)です。
和型墓石はもっともポピュラーな形で、台石は二段、上から竿石、上台石、下台石、芝石で構成されています。一番上の石を「天」、二段目の石を「人」、一番下の台石を「地」と見立てます。この形は江戸時代にできたといわれています。
洋型墓石は最近多く見られる横型のお墓です。台石が一段のものが多く、なかには二段のもあります。この形に人気があるのは、スマートで現代的に見えるからでしょう。
変形墓は趣味墓ともいい個性時代を象徴するような形のお墓です。 - ●墓石の大小の決め方
- 和型墓石の場合、一般的に使用されているのは、横幅が八寸角の石です。これは、墓地の一区画の広さが、3.3平方メートルの墓地が多いからです。つまり、3.3平方メートルには八寸角、5平方メートルには九寸角がバランス的にあっているからです。
- ●納骨棺
- お骨を納める室のことで、地下式カロートと地上式カロートの二種類があります。地下式は地下にコンクリートで箱形の室を作ったもので、地上面の基壇あるいは下台石の中をくりぬいて作ったものです。
- ●境界石・外柵
- 境界をはっきりさせるもので、墓地の周りを石材で囲んだものから、玉垣をのせ外柵をつくり入口、門柱をつけた立派なものまでいろいろです。
- ●花立・水鉢・香立
- 通常、祭具としてあるのは、この三種類です。花立は水鉢を中心にして、左右で一対になっています。花を生けるのは、仏教で仏様の着物ということです。直接石に穴をあけたものと、円筒形のステンレスやプラスチックの脱着式のものとがあります。水鉢は、死者の渇きをいやすためのものです。香立は、線香を立てるタイプと横に寝かせるタイプがあります。立てるタイプには雨水で火が消えるのを防ぐ笠付きや、横に寝かせるタイプにはオリンピック型などがあります。
- ●塔婆立・墓誌・燈篭
- 塔婆を使用しない宗派もありますが、石製で単独につくる場合と、外柵に組み込んだり、ステンレス製のものがあります。
墓誌は、墓碑に死者の戒名・死亡年月日・年齢・俗名を刻むものです。燈篭には、月見燈篭と春日燈篭があります。 - ●物置台
- 墓参のとき荷物があると邪魔になるので、バッグなどを置きます。加工したものとしては御影石を使用し、自然石は上部だけを平らにして使用されています。
- ●化粧砂利・植木・地蔵
- 雑草を防ぐために、砂利を墓所内に敷くことがありますが、土のままや敷石・芝生にすることもあります。植木は、常緑で低木、根の広がらないもの、イブキ、ツゲ、モクセイ、キャラ、カイズなどがよいでしょう。